ジャパニーズウイスキーとは何か?
近年、世界中のウイスキー愛好家から注目を集める「ジャパニーズウイスキー」。繊細な味わい、職人技、そして日本の風土が生んだ独特の香りは、スコッチやバーボンに並ぶ存在感を持つようになりました。
しかし、いま出回っている“ジャパニーズウイスキー”のすべてが本当に「日本製」なのでしょうか?
自主基準から法制化へ──その背景と意義
日本洋酒酒造組合が2024年に発表した自主基準では、「国内で採水し、日本の蒸留所で3年以上熟成」するなどの明確な定義を設けています。しかし、現状では法的な拘束力はなく、実態は「ジャパニーズ」と名乗りながらも、原酒の多くが海外産という製品も少なくありません。
このままでは、日本のウイスキーに対する信頼が損なわれかねません。組合が今回、法制化を目指すと発表した背景には、「ブランドの信頼性向上」と「模倣品の拡大防止」という強い危機感があります。
清酒やワインと同様の保護体制を
清酒やワインの分野ではすでに「地理的表示(GI)」による保護制度が整備されており、品質や製法を担保するルールが確立されています。ウイスキーにも同様の保護があれば、日本発のクラフト精神を世界に誇れる「ブランド」として、さらに発展する可能性があります。
20%が定義外?海外市場の実情
組合が行った2023年の調査によれば、アメリカのロサンゼルスやニューヨークでは、店頭に並ぶジャパニーズウイスキーのうち、約2割が定義を満たしていなかったとのこと。これはまさに、消費者が「本物」と信じて手にする商品が、実際には別物であるという現実を示しています。
今後の課題と期待
法制化には時間と手間がかかるでしょう。既存の業者との利害調整や国際的な整合性、法的枠組みの設計など、課題は山積みです。しかし、この取り組みが実現すれば、「ジャパニーズウイスキー」という名称が、単なるラベルではなく品質の証明となります。
ウイスキーに限らず、”Made in Japan”を守るためには、こうした姿勢と制度の整備が不可欠です。
最後に
本当の意味での「ジャパニーズウイスキー」が世界で評価される日も近いかもしれません。私たち消費者も、ラベルの裏側にあるストーリーに耳を傾け、真の価値を見極める目を持ちたいものです。