伝説的RPGが迎える節目
1981年にアメリカで誕生し、日本のRPG文化に多大な影響を与えた伝説的タイトル「Wizardry(ウィザードリィ)」。そのIPを保有するドリコムが、2026年に迎える45周年を前に、ライセンスビジネスの特設ページを開設しました。本記事では、この動きの背景と可能性を読み解きます。
「Wizardry」IP戦略の転換点
- ドリコムのビジョン:IPを「届ける」から「共創」へ
ドリコムが今回打ち出したのは、単なるIP再活用ではなく「ライセンシーとの共創」を掲げたパートナーシップ型ビジネスです。これまでのモバイルゲームや小説展開にとどまらず、他業種との連携によるIPの広がりが期待されます。
近年の動き:「Variants Daphne」と「ブレイド&バスタード」
- Wizardry Variants Daphne
モバイルゲームとして2023年に発表されたタイトルで、ダンジョン探索型の原点回帰を目指す作品。
- ブレイド&バスタード
KADOKAWAとの連携による小説展開。重厚な世界観と「死」をテーマにしたダークファンタジーは、従来のWizardryファン層にも刺さる内容。
これらのコンテンツ群を“Wizardryブランド”として束ね、横断的に活用することで、IPの多面展開が可能になります。
今後の展望と課題
- チャンス:世界に通用する「クラシックRPG」の再評価
「Wizardry」は、ゲーム文化の源流を象徴するIPです。近年、レトロゲームやダークファンタジーの再評価が進む中で、グローバル市場への再進出も視野に入るでしょう。海外スタジオとの協業や、インディーゲームとのコラボも有望です。
- 課題:知名度とブランドイメージの再構築
一方で、Wizardryを知らない若年層も多く、いかに“古くて新しい”魅力を打ち出せるかがカギになります。ビジュアル刷新や、メディアミックス展開(アニメ化・ボードゲーム化など)も有効かもしれません。
IPの「熟成」と「再誕」の両立へ
「Wizardry」という熟成されたIPを、いかにして現代的に蘇らせるか──その試みは、ドリコムにとっても、日本のIPビジネスにとっても重要な挑戦です。45周年という節目をチャンスに変えるべく、今後の展開から目が離せません。