2025年度、特許庁が推進する「知財重点支援エリア」に、愛知県が新たに選ばれました。中小企業の知財活用を後押しし、技術の製品化や販路拡大、人材育成を国の支援のもとで一体的に進めるという、地域経済にとって重要なステップです。
この取り組みは単なる「助成」や「支援」にとどまりません。知財を経営資源として活用する力=知財経営力を地域全体に浸透させるモデル事業であり、愛知のような製造業が集積する地域にとって、その効果は計り知れません。
特に注目したいのは、以下のポイントです。
- 技術の“社会実装”を後押し
多くの中小企業が抱える「特許は取ったが、ビジネスに活かせない」という課題に対し、製品化・市場投入までの支援が明言されています。これは知財の“出口戦略”に直結する支援です。
- 地元機関との連携強化
県内の支援機関や大学・研究機関と連携し、横断的な支援体制を築くことで、技術・人材・市場の好循環が期待されます。
- 全国展開に向けたモデルケース
同時に選ばれた山口県・熊本市とともに、成功モデルを全国に広げていくことが国の狙い。愛知が“知財経営の先進地”として全国のロールモデルとなる可能性もあります。
愛知の「ものづくり」は次のフェーズへ
これまでの“技術力”に加え、“知財活用力”が中小企業の成長に不可欠な時代。知財を守るためだけでなく、売上・採用・ブランド力向上の源泉として活用する流れが加速するでしょう。
愛知の企業がこの機会をどう活かし、地域経済にどのようなインパクトをもたらすか――今後の動きに注目です。