はい、条件が整えば訂正が可能です。ただし、何でも自由に変更できるわけではなく、以下のようなルールがあります。
補正が認められるケース
- 出願書類に記載された発明者名(または考案者・創作者名)について「誤記」があった場合、例えば名前の漢字変換ミス、氏名・住所のタイプミスなど、真の発明者・考案者・創作者が記載されているにもかかわらず記載内容に誤りがあるときに、訂正を申請できます。
- 出願中(すなわち、当該事件が特許庁に係属している期間)に限って補正手続が可能です。登録後や拒絶査定が確定した後など、事案が終了している場合は補正できません。
補正できない/慎重な取り扱いが必要なケース
- 婚姻等によって出願後に氏名が変更された場合、それは「誤記」とはみなされず、補正できません。出願書類に誤って記入されたわけではない、氏名変更自体の事情です。
- 発明者が全く異なる人である、あるいは発明者の追加・削除など「発明者そのものの変更」に当たる場合は、より厳格な手続(宣誓書の提出等)が必要です。
手続の概要
- 「手続補正書」を提出します。
- 誤記訂正の場合 → 「誤記の理由」を記載した書面を添付します。
- 発明者追加・削除等の場合 → 「発明者相互の宣誓書」と「変更(追加・削除)の理由を記載した書面」が必要です。
- オンライン提出の場合、手続補正書に「その他」欄を設けて変更理由を記載すれば、別途理由書を添付しなくてもよいことがあります。
補正申請を行う上でのポイント/注意点
- 補正書には、補正後の発明者全員の氏名を記載する必要があります。たとえ1名のみの誤記訂正であっても、発明者が2名いるならば2名を併記します。
- 変更理由はできるだけ具体的に記載しましょう(例:「願書作成時に○○太郎を○○次郎とタイプミスし、確認を怠ったため」など)と、手続上スムーズです。
- 出願後の住所・居所変更は、補正の対象とはされていません(発明者の「住所」・「居所」のみを変更する場合は、補正手続の対象外となります)ので、住所の最新情報を記載しておくことが望ましいです。
- 発明者の氏名変更(婚姻等)を出願後に補正しようとすると、原則として認められません。出願時点での氏名が正しく記載されているかを事前に確認しておくことが重要です。
こんな時は相談を
- 発明者を「追加/削除」する必要があるかもしれないと判断される場合
- 複数人でアイデアを出しており、誰が「発明者/考案者」なのか明確でない/記載漏れがあった可能性がある場合
- 婚姻・改名・住所変更等の事情が発生しており、出願手続にどのように影響するか不安な場合
- 補正のタイミングを逃してしまいそう、あるいは事件の進行状況(係属中かどうかなど)が明確でない場合
こうした場合には、弊所までお気軽にご連絡ください。専門の担当者が適切な補正手続の可否・手順・リスク等についてご説明いたします。
(注)本FAQは一般的なご案内であり、個別の案件については出願書類の内容・経過・先行技術・発明者・考案者の状況等により取扱いが異なる可能性があります。最終的には正式な手続きを行う前に、専門家(弁理士)による個別相談をお勧めいたします。
