最近の報告によると、全国の税関で差し止められた偽ブランド品などの件数が3年ぶりに3万件を超え、昨年は過去2番目に多い3万1666件に達しました。この数字は、正規品の価格に換算するとおよそ171億円にも上ると報じられています。
特に注目すべきは、円安などの影響で高騰しているブランド品を模倣した衣類が前年比1.5倍となり、最も多く差し止められた品目であることです。さらに、医薬品の偽物も急増していることが明らかになりました。これらの製品は消費者の健康や安全に直接的な影響を及ぼす可能性があるため、特に憂慮される事態です。
差し止め件数の増加にはいくつかの要因があるとされています。一つは、新型コロナウイルス感染症が落ち着き、物流が正常化したことです。もう一つの大きな要因として、おととしの法改正により、個人輸入も規制の対象となったことが挙げられます。これにより、税関の監視が強化され、より多くの偽ブランド品が摘発される結果となっています。
この問題に対しては、単に国内での取り締まりを強化するだけでは不十分であり、国際的な協力が求められます。特に、偽ブランド品の大部分が中国から送られてくるという現状を鑑みると、国際的な法執行機関との連携や、情報共有の強化が必要です。また、偽ブランド品の製造や販売に関わるネットワークを根絶するためには、起源国での法的措置も同時に行われる必要があります。
このような増加傾向にある偽ブランド品の問題は、国内外での知的財産権の保護を強化し、消費者の安全と公正な市場を守るために、更なる法的な対策や国際協力の強化を訴えるものです。偽造品の取引を抑制するための国際的な取り組みを支持し、関連するすべてのステークホルダーに対して積極的な行動を促すことが重要であると考えます。
