中国企業の発明特許動向:2024年3月の国家知的財産権局定例記者会見から読み取れること

  • URLをコピーしました!

2024年3月29日に行われた国家知的財産権局の定例記者会見で、副局長の葛樹氏が発表した内容は、中国企業の発明特許の現状とその重要性を改めて浮き彫りにしました。彼の発言によれば、中国の国内有効発明特許のうち企業が占める割合が7割を超え、その数は300万件を超えています。この統計は中国企業の知的財産活動の規模と、その発展の勢いを如実に示しています。

特に注目すべきは、中国企業の発明特許の産業化率が23年に前年比3.2ポイント上昇し、51.3%に達したという点です。5年連続での増加は、企業が知的財産を実際のビジネスにどのように活用しているかを物語っており、その努力が着実に成果を上げていることを示しています。また、国家ハイテク企業における発明特許の産業化率が57.6%に達し、非国家ハイテク企業を19.5ポイントも上回っているという事実も重要です。これはハイテク企業が知的財産を効率的に活用し、競争力を高めるために多大な努力をしていることを示唆しています。

さらに、中国企業が自主ブランド製品に用いる発明特許の産業化の平均収益が、OEM製品に用いる発明特許のそれの2倍以上であるというデータは、特許とブランドの総合的な利用効果が高いことを示しています。これは、企業が独自のブランドを持つことの重要性と、それに伴う経済的な利益がいかに大きいかを明らかにしています。

また、企業が行った産学研協力のうち、重要技術や中核部品に対象を絞ったものの割合が56.1%と最も高かったことも注目すべき点です。これは、産学研協力が特に重要中核技術の研究開発において重要な役割を果たしていることを示しており、今後もこの分野での協力が進むことが期待されます。

以上のように、今回の記者会見で明らかになったデータは、中国企業が発明特許を活用し、産業化に成功している実態を示しています。知的財産の戦略的活用が企業の競争力を高め、さらなる経済発展に寄与することを理解し、今後の動向を注視していくことが重要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次