Appleは、2024年4月6日にApp Storeの審査ガイドラインを更新し、レトロゲーム機のエミュレーターアプリを明示的に許可するような文言を含めました。これは、これまで外部ソースからのコードを実行するアプリを禁止してきたAppleにとって大きな方針転換です。
この新しいガイドラインでは、「バイナリに埋め込まれていない特定のソフトウェア」の提供が許可されており、その一環として「レトロゲーム機のエミュレーターアプリはゲームのダウンロードを提供できる」と明記されています。具体的には、4.7「ミニアプリ、ミニゲーム、ストリーミングゲーム、チャットボット、プラグイン、ゲームエミュレーター」のセクションで、エミュレーターについて初めて具体的に触れられています。
この変更により、エミュレーターアプリがApp Storeにおいて正式に配信される可能性が高まりました。しかし、注意すべきは、これらのアプリが提供するソフトウェアは、すべてAppleのガイドラインおよび適用される法律に準拠する必要があるという点です。特に著作権侵害のリスクが高いレトロゲームのROMファイルについては、違法な配布や利用が厳しく制限されています。
一方で、自分の所有するソフトをイメージデータ化したROMファイルや、公式に配布されているROMファイルを使用する場合は合法とされるケースもあります。このように、Appleは合法的なエミュレーターアプリの利用を推進する姿勢を示しています。
さらに、Appleのガイドライン改定により、ゲームメーカーが自社でエミュレーター機能を搭載したアプリをリリースし、ROMファイルをアプリ上でダウンロード販売する可能性も考えられます。これは、レトロゲームファンにとって大きな利点となるでしょう。
今回のガイドライン改定は、日本だけでなく世界共通のものとみられます。これにより、世界中の開発者やユーザーが新たなエミュレーターアプリの可能性を探ることができるようになるでしょう。
Appleのこの新たな方針転換が、今後どのように市場に影響を与えるのか、そしてどのようなエミュレーターアプリが登場するのか、非常に興味深いところです。ユーザーの安全と法令遵守を確保しながら、新しいゲーム体験を提供するエミュレーターアプリの今後に期待したいと思います。