北京市は、ここ10年間で驚異的な進歩を遂げ、世界的な「科学技術強国」としての地位を確立する先駆けとなっています。科学技術の中核優位性を確立するために、一貫してイノベーション主導型の発展を堅持してきました。
特筆すべきは、2014年から2023年にかけての成果です。人口1万人当たりの特許保有数が48.2件から262.9件と5倍以上に増加し、年間技術契約額は3136億元から8536億9千万元に拡大しました。また、「国家ハイテク企業」認定企業数は1万400社から2万8300社に、1日当たりのテック系企業新設数は146社から337社に増加しました。
中でも注目されるのは、北京が学術界においてもトップクラスの地位を維持していることです。英科学誌「ネイチャー」の発表によると、北京は「ネイチャー・インデックス・サイエンスシティー」ランキングで数年連続でトップを維持しています。また、「高被引用論文著者(HCR)リスト」の23年版でも北京が首位となり、国際的な科学技術イノベーションセンターとしての地位を確固たるものとしています。
さらに、北京市は科学技術イノベーションを産業の発展に結びつけ、「新たな質の生産力」を形成することに力を入れています。汎用人工知能(AGI)や人型ロボット、商業宇宙活動などの細分産業支援策を通じて、新たな産業クラスターの形成が進んでいます。特に次世代情報技術や科学技術サービス業、医薬品・ヘルスケア、集積回路(IC)などが注目されています。
張継紅主任は「北京は未来に向けて、質の高い発展をサポートする科学技術の自立自強を基礎とし、改革の深化を原動力として、世界の科学技術イノベーションセンターの建設を新たな段階へ引き上げる」と述べています。このような取り組みは、科学技術強国の建設と中国式現代化の建設に大きく寄与するでしょう。
北京市のこの進展は、私にとっても非常に興味深いものです。特に、特許や技術契約に関するデータの急増は、知的財産の重要性が増していることを示しています。これからも北京市の動向を注視し、科学技術イノベーションの最前線での知的財産の役割を見極めていきたいと思います。