2025年のPixel 10ファミリー発表を控える中、Googleの次なる一手に関心が集まっています。最近公開されたWIPO（世界知的所有権機関）の特許「Leveraging Inactive Touchpoints For Gesture Recognition and User Interface Configuration」は、スマートフォンの背面にタッチ・ジェスチャー認識機能を追加するというアイデアを提示しました。
この技術は、ユーザーがスマートフォンを「持っているだけ」なのか、「意図して操作している」のかをAIが判別し、動作を最適化するというもの。すでにPixelでは「クイックタップ」機能が存在しますが、本特許の内容はそれを遥かに拡張するものであり、未来のUI進化を示唆しています。
背面が「第2のインターフェース」になる日
これまで、スマートフォンの背面は主にカメラのスペースとして使われてきましたが、この技術が実装されれば背面も立派なインターフェースになります。音量調整やメディア操作、ズームといった操作が画面に触れずに可能になることで、ユーザー体験が一変するかもしれません。
特に注目すべきは、GoogleのAI技術との統合です。誤操作を防ぐためにユーザーの「無意識」と「意図的」な操作を機械学習モデルで判別するという点は、まさにAIネイティブなUIの方向性を象徴しています。Pixelが掲げる「AIを活用したスマート体験」というビジョンと合致するものであり、今後の製品における差別化要因となる可能性があります。
ハードウェア設計とアクセサリ市場への波及
このような背面インターフェースが現実化した場合、スマートフォンケースの設計にも大きな影響が出るでしょう。従来の全面保護型ケースではなく、背面の一部を開放するバンパータイプが主流に返り咲く可能性もあります。Google自身が純正ケースでこのUIをサポートする設計を出してくる可能性も考えられます。
Pixel 10での登場はあるか？
現時点でPixel 10ファミリーにこの技術が搭載されるという情報は出ていません。しかし、特許のタイミングや実装の難易度を考えると、実際の登場は2026年のPixel 11ファミリー以降になる可能性が高いでしょう。
ただし、こうした特許出願が示しているのは、Googleが今後もUIの革新に積極的であるという意思です。ディスプレイが主役だった時代から、デバイス全体が操作対象となる時代へ。スマートフォンUIの次のフロンティアは、まさに「背面」にあるのかもしれません。