TRPGに足りない“仲間”をAIが担う時代へ――ソフトバンクが挑むゲーム×感情AIの未来

ソフトバンクグループが、新たなAI技術の特許を出願したことが注目を集めています。テーマはなんと「TRPGにおける不足プレイヤーの補完」。対面やオンラインで人間同士が会話しながら物語を紡ぐTRPG(テーブルトークRPG)において、AIがプレイヤーの代役を務めるという試みです。

TRPGは、ストーリーテリングや会話の応酬を楽しむジャンルであり、複数人のプレイヤーによる役割演技が不可欠です。しかし、時間や人員の都合により、必要人数が集まらないこともしばしば。今回ソフトバンクが特許出願したAIサービスは、そうした「プレイヤー不足」という課題に対する一つの解答です。

特許の内容によれば、AIは以下のような仕組みでゲームに参加します。

  • キャラクターの性格や特徴を学習
  • 他プレイヤーの会話ログを解析
  • 機械学習と自然言語処理によって行動・反応を予測
  • 感情エンジンによってユーザーの感情を推定し、リアクションを調整

これにより、単にセリフを返すだけでなく、空気を読み、感情を理解し、物語を共に創造する“AIプレイヤー”が実現しようとしています。

これは、AIが単なる“道具”から、“共に遊ぶ仲間”へと進化していく兆しでもあります。

ゲーム業界全体でもAIの進化は著しく、『マインクラフト』のAIコンパニオン「MinePal」や、マイクロソフトの「Copilot for Gaming」など、プレイヤーの支援役としてAIが続々登場しています。

TRPGは人と人の対話が醍醐味ですが、AIがその一角を担うことで、遊びの可能性はさらに広がるかもしれません。物理的な制約を超え、「いつでも、誰とでも、物語を楽しめる」時代が近づいていると感じさせる今回の特許出願。ソフトバンクのAIプレイヤーが実現する日が来たとき、私たちはどんな冒険を共に描くのでしょうか。