ファンの“不安”に応える新施策
フィギュアファンにとって、本物と偽物を見分けるのは年々難しくなっています。そんな中、2025年9月以降、ホビーメーカー大手のメガハウスが「正規品証明シール」を導入すると発表しました。このシールは、知的財産を侵害する模倣品と正規品を明確に差別化するための新たな取り組みです。
なぜ「証明シール」なのか?──背景にある模倣品の脅威
メガハウスによると、同社の商品を模倣した偽物が国内外で多数発見されており、ブランド価値の毀損と消費者の混乱が深刻な課題となっています。これに対処するため、株式会社バンダイなどと連携し、「模倣品が作られない・売られない」環境づくりを進めてきました。
今回のシール導入も、その延長線上にあるもの。シールを商品パッケージに貼付することで、消費者が一目で「これは本物だ」と判断できるようにする狙いがあります。
シールで何が変わるのか?──3つの効果
- 購入時の安心感の向上
ユーザーが偽物を誤って買ってしまうリスクが減ることで、フィギュア購入の心理的ハードルが下がります。
- 模倣品の市場流通抑制
シールの有無が判断基準となれば、模倣品の流通が相対的に減少することが期待されます。
- ブランド信頼性の向上
正規品が明確に見分けられるようになることで、メガハウスのブランド価値がさらに強化されます。
シールが万能ではない──今後の課題
もっとも、シール自体が模倣される可能性もゼロではありません。真の意味で模倣品対策を完遂するには、サプライチェーン全体でのトレーサビリティ確保や、デジタル認証(例:QRコード・ブロックチェーン連携)など、より高度な仕組みの導入も必要でしょう。
模倣品対策は“ユーザーと企業の信頼構築”
メガハウスの「正規品証明シール」導入は、単なるラベル貼付にとどまりません。これは、ユーザーの信頼を守るための第一歩であり、知的財産の保護とファンコミュニティの維持という観点でも、重要な施策と言えるでしょう。
今後、他メーカーにも同様の動きが広がるのか。ホビー業界全体の模倣品対策が、次のフェーズに進もうとしています。